
医学論文の翻訳サービスを提供する会社をリサーチして、ベスト5を選びました。大切な論文の価値を左右する、重要なパートナーとして相応しいかどうかを評価するため、各社を次の5項目で比較しました。
国立国際医療センター、国立がんセンター、国立精神・神経医療研究センター、国立環境研究所、理化学研究所、慈恵大学病院、北里大学病院、東京大学、東京医科大学、慶応大学、国立看護大学校、神戸市看護大学、岩手医科大学、武田薬品、中外製薬、わかもと製薬、 ほか
・英語翻訳に特化することで専門性の高いサービスを実現
・レスポンスが速い(早ければ1時間で見積回答)
・トライアル翻訳(無料)がある
・機密保持契約に対応
・公費、官費での支払い可
医学関連の実務(現職医師・医学研究員・助教授など)に就いているプロが翻訳にあたる。翻訳者・校正者ともに専門知識が豊富なため、正確な翻訳であることはもちろん、読み手に理解されやすい仕上がりが特徴。
国立がん研究センター、国立循環器病研究センター、国立感染症研究所、大阪市立総合医療センター、聖マリアンナ医科大学、東京医科歯科大学、東京慈恵会医科大学、京都府立医科大学、奈良県立医科大学 ほか
・論文関連で過去12年に20000件(医療分野以外も含む)以上の取り扱い実績
・午後5時までの見積依頼は、当日中に回答(原則)
・機密保持契約に対応
数多くの学会やジャーナルへの投稿が受理された実績を持つ。論文に精通したネイティブ研究者が翻訳にあたるため、研究機関からも継続依頼されている。
理化学研究所、国立がんセンター、放射線医学総合研究所、国立感染症研究所、東京医科歯科大学、田辺三菱製薬 ほか
・求める品質に対応した料金設定
・四人の専門家による翻訳・校正体制
・論文掲載経験者を含む翻訳スタッフ
修士・博士号を持ったスタッフが翻訳にあたる。高学歴のみを採用基準としていて、医学の分野でも高い専門性を維持している。
防衛医科大学、東京大学、慶應義塾大学、愛知医科大学、理化学研究所 ほか
・現役/引退後の技術者・研究者・医者が翻訳を担当
・トライアルをパスした翻訳者のみ(合格率1割未満)を採用
・機密保持契約に対応
翻訳者は元研究員や現職の研究者で、修士号や博士号取得者が多く在籍する。
厚生労働省、国立病院機構、 大分医科大学、大阪医科大学、東京都立保健科学大学、帝京大学、東海大学、東京大学 ほか
・トライアル翻訳(無料・法人のみ)がある
・機密保持契約に対応
・急ぎの案件にも「急行」コースで対応
基礎医学から、薬学、歯学、バイオテクノロジーまで、各専門分野に精通している。
医学論文を正確かつ、完成度の高いものに訳してもらうためには、依頼分野での実績が豊富な会社を見つけることが何より重要です。特に医学論文は、完成度が何より大切。スペルミスや文法ミスがあっただけでも評価が落ち、査読を突破出来ずに棄却されてしまうことも少なくありません。内容が良ければ読んでもらえるという認識はすぐに取り払うべきです。
よって、医学論文の英訳にあたっては、料金や納品スピードではなく、英文校正がしっかりしているという点が、最も注視すべきといえるでしょう。
まずは実績を見てみましょう。簡単ではありますが、大手企業や病院との取引先が多いほど信頼できます。納品した実績=品質の高さを裏付けることになるからです。特に医療関係の機関と多く取引している業者を選んでいくと良いでしょう。
ただ、専門性の高い論文などを業者を介して翻訳する場合、実際に利用してみないことには評価は難しいのが現実です。
そこで便利なのがトライアル翻訳。業者によってはオフィシャルサイトにサンプルを掲載しているところもありますが、あくまで目安です。
この無料トライアルは、自分の論文の一部を翻訳してもらい、その結果を納得した上で依頼ができるので、品質をより具体的に知ることができます。多くの業者では、無料トライアルを実施していますので、利用しない手はありません。
注文する際に気になるのが料金設定です。限られた予算を最大限に生かすためには、リーズナブルな価格の翻訳業者を見つけましょう。
日本の翻訳会社は、原文の文字数によって料金が決まるため、一文字あたりの料金が安いに越したことはありません。チリも積もれば…で文字数の多い論文はそれだけ料金も安く済みます。
レスポンスや納期の速さにも、力を入れているところがあると、さらに評価できるでしょう。特急料金など、納期短縮サービスを設定してくれているところもあります。ただし、それらのサービスには別途料金がかかる場合があるので注意して下さい。
さまざまな翻訳ツールがあるなかで、高機能化が進む翻訳ソフトがあります。業者とソフトウェア、どちらに頼むのがベストかを比較しました。
翻訳ソフトのメリットは、自分で簡単に翻訳ができるという点です。時間もかからず、ものの数秒で訳してくれる翻訳ソフトの価格は、安いものだと2,000円台から、高いものでは10万円を超えるものまで様々。
しかしその精度はまちまちで、高い金額を出したからといって精度が上がるとは限りません。さらに、使いこなすまでに多くの時間がかかります。ある程度英語の知識がないと、間違っているかどうかの判断もつきませんし、翻訳メモリが入っているものでも最初は自分で訳していかなければいけません。何度も翻訳をして、語彙量を増やしていき初めて役に立ちます。
翻訳会社のメリットといえば、やはりその完成度の高さです。論文に関してだけではありませんが、「英文が稚拙=中身も稚拙」と捉えられることも多いようで、失敗できない原稿などは、翻訳会社に任せるのが妥当と言えます。金額に応じてその完成度は変化してきますが、ネイティブの人が原稿をチェックしてくれるサービスを利用すると、さらに精度は高まります。
デメリットとしては、ある程度納期に日数はかかります。しかし、その間に新しい研究に没頭できたりと以外にメリットの多いのが翻訳会社といえるでしょう。
結論として、翻訳業者に依頼する方が、クオリティーが格段に上がります。論文の内容が悪かったかな?と疑う前に、まずはプロに翻訳してもらいましょう。そんな些細な違いで、論文の評価も変わってくるかもしれません。
無料トライアルを利用すれば、翻訳の品質が具体的に確認できたり、金額の見積もりも早いところでは2~3時間で出してくれます。いかに効率よく安価に完成度を上げるか、その点に注力していけば、論文の質の向上に時間を使えますし、新しい研究に時間を割けるかもしれません。何事も自分で行うのではなく、時にはその道の専門家に頼ってみることを強くお勧めします。
料 金 | 納 期 | |
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ケースクエア | ・日英翻訳:10円~/1字あたり ・英日翻訳: 10円~/1単語あたり |
原則3日~5日 |
パラブラ | ・日英翻訳:12.5~20円/1字あたり ・英日翻訳: 3~4.4円/1字あたり |
通常の論文で1~3週間 |
ユレイタス | ・日英翻訳:13~19円/1字あたり ・英日翻訳: 17~28円/1単語あたり |
3日~10日 |
ASL翻訳サービス | ・日英翻訳:16~22円 /1字あたり ・英日翻訳: 20~27円 /1単語あたり |
5営業日~7営業日(文字数により変動) |
グローヴァ | ・日英翻訳:13円~/1字あたり ・英日翻訳: 17円~/1単語あたり |
2~10営業日(文字数により変動) |